» イーガン「万物理論」読み中……。すげーすげー。やっぱりイーガンは凄いですよ。これを 2, 3 日で読んだなんてウソでしょう。「港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった。」というのはギブスン「ニューロマンサー」のあまりにも有名な書き出しですが、イーガンの場合はこの色と雰囲気をちゃんと説明しようとする(ナノテクノロジーで!バイオサイエンスで!超量子力学で!)ので鼻血がでそうになります。
» (半分ぐらい読みました。が、感想書かないかもしれません。だって素晴らしすぎるのですから。「ある作品についての唯一の真の批評とは、その作品そのものだ」というのはジョン・ホーガンですが、まさにそのとおりです。MUST Read'em, and Weep! というのが現時点での僕の声明です。しかし、ジョン・ホーガンを思い出したのは思い付きではありません。まさに、万物理論とは「科学の終焉」にほかならないわけですから。ホイーラー(作中ではウィーラー)の宇宙論も載ってますし、読んでてよかったです)
» たった今「万物理論」読み終えました。
» そして、次に言いたいのは本書を、なにかニューなんとか(エイジ、カルチャー、サイエンス…等々)のようなオルタナティブ賞賛本だと捉えるのは間違いだということです。この本はそうではありません。この本はそういうオルタナティブがすべて滅び、もうだれも相対主義的立場に立つことができなくなった世界を書いているのです。そしてそれは善であるとも。
» 思いだすのはもうひとりのグレッグ、グレッグ・ベアの短編「ペトラ」(タンジェント収録)です。そこでは古い物理法則が役立たずになり……。
» それにしてもアキリたんの常に冷静で論理的に正しいこと。結局、人間宇宙論は正しかったですし。ジェンダー論争から完全に自由でいることがこういう洞察をもたらすのでしょうか。うーん、スターリング「自転車修理人」も無性の兄ちゃんがてきぱき政治的問題を解決してましたよね。スコプツィ派は正しかったのかもしれません。
» それで思い出しましたが、ベスター「虎よ!虎よ!」に出てきた精神的スコプツィ派って<自発的自閉症者協会>ですよね。